水インフラの未来を切り拓く
次世代型総合デジタルソリューション
全国の水インフラは、人口減少に伴う働き手の不足、施設・設備の老朽化の進行、脱炭素化への取り組みの必要性など、多くの課題を抱えています。
当社の次世代型総合デジタルソリューション「OPTINOA®」は、これら水インフラの抱える課題を、デジタル技術によって解決します。
『OPTINOA®』は「OPTIMIZATION(最適化)」「INNOVATION(変革)」「AQUA(水)」の3つの単語からなる造語であり、当社グループが長年にわたり上下水道施設をはじめとする水インフラの運営で培ったデジタル技術を集約した次世代型総合デジタルソリューションです。
本ソリューションは、遠隔支援で施設管理の効率化・強靭化を実現する「集中監視センター」、運転データの利活用を促進する「データ活用プラットフォーム」、施設データを一元管理し ストック/アセットマネジメントの最適化を推進する「設備管理システム」から構成され、これらの基盤機能に加え、当社グループが開発・導入してきたAIによる自律制御技術や異常検知技術を一体的に提供します。
当社グループは『OPTINOA®』を通じて水インフラのスマート化を促進し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを加速します。
1.集中監視センター
当社グループが全国3か所(神奈川、東京、長崎)に有する集中監視センターでは、全国各所で当グループが実施するPPP事業や維持管理の現場を支援しています。
また、複数のセンターを運用しているため、災害等でセンターに障害が発生した場合には、他のセンターでバックアップが可能です。
神奈川集中監視センターを新規開設!
(2025年6月)
当社グループでは、2018年より、東京および長崎の集中監視センターより遠隔支援を実施して参りましたが、2025年6月に技術拠点である川崎オフィスに、神奈川集中監視センターを新規開設しました。
当センターは、『OPTINOA®』の中核拠点として、現場の遠隔支援にとどまらず、データの活用や事業運営の高度化をリードします。
2.自律制御システム
OPTINOA®では最新AI技術を活用し、従来必要とされた熟練者による運転を省力化することが可能であり、当社グループの創エネルギー型脱水焼却システムの実証設備では、「画像解析モデル」、「機械学習モデル」、「モデル予測制御」を組み合わせることで脱水設備から焼却設備、熱回収システムまでを通じて30日間の無操作運転を達成しています。
3.バーチャルコミッショニングの事例
当社グループで開発を進めている創エネルギー型脱水焼却システムは、新型の焼却システムであり新しいプロセス技術やアイディアが組み込まれており、プロセス設計や制御性能の検証のため、事前にプロセスダイナミックシミュレータにより運転バランスの確認や制御性についてコンピュータ上で確認を行いました。
制御性の確認では、実際のDCSとダイナミックシミュレータを接続し、バーチャルな環境での試運転(バーチャルコミッショニング)を行い以下の利点があることを確認しております。
バーチャルコミッショニングの
メリット
-
プロセスの動作確認を
事前に実施可能 -
実際のDCSで
制御システムの
事前検証が可能 -
PIDの
プレチューニング
作業が
可能 -
試運転立上げ期間と
コストの削減が可能
4.汎用画像異常検知システム
OPTINOA®の機能として、維持管理の現場において活用可能な汎用型画像異常検知システムを開発しました。
このシステムは、カメラで取得した画像から「いつもと違う状態」を検知することが可能であり、現場においてAI監視モデルの生成および調整が可能なシステムとして実用化しています。
過去の画像データを使い現地で異常検知モデルを学習・構築することが可能であり、学習データを使うことにより「いつもと違う」を数値化し、しきい値を変更することにより異常の検知レベルを調整することができます。
5.ドローン炉内点検
当社グループではドローンの活用により、従来、足場の建設が必要だった焼却炉内部の検査を効率化しており、撮影した動画をAI解析し、「ひびの幅や長さ」を自動計測することにより焼却炉のメンテナンスの最適化を提案可能です。
6.設備保全管理システムと
生成AIの活用
当社グループが保有する設備保全管理システムは、維持管理を起点としたアセットマネジメントのツールであり、設備・資産に関するデータを一元的に管理し、設備の計画、設計、改築修繕、維持管理における人・もの・金を最適化するアセットマネジメントを実現します。また、蓄積したナレッジを、生成AIを活用し重要な資産として利活用し、設備保全管理のさらなる高度化を図ります。