前処理・沈殿設備
浄水処理
沈殿池掻寄機 (コンパクトブル®)
原理
豊富な納入実績を持つ水没クラリファイヤの高い信頼性を継承しつつ、さらなる効率化を追及した水中ロープ牽引式の沈殿池スラッジ掻寄機です。
沈殿池の池底中間部に2本の走行レールがあり、そのレール上に可動式スクレーパ付の走行台車を設け、地上部に設置された駆動装置により、1本のワイヤーロープを介して走行台車を牽引しスラッジ(汚泥)を掻き寄せます。
特長
- 全面ワイドスクレーパの採用により、処理能力が向上。低濃度から高濃度スラッジまで確実に掻き寄せが可能です。
- 池底ショートスパンレールの採用により、レール基礎が不要。走行台車の小型軽量化を実現しました。
- ワイヤーロープ1本引き構造により、ワイヤーロープ、滑車等の消耗品を大幅に削減しました。
- 軽量小型なシングルドラム式駆動装置を採用しました。インバータ制御との組合せにより省エネルギー化が可能です。
- 脱輪防止装置により、地震時の水の揺動による台車の浮き上がり、脱輪を防止します。
- 信頼性の高いリンク式スクレーパ反転機構を採用。リアスクレーパを標準装備し、後退端部での掻き残しを防止します。
繊維ろ過装置(すいせん)
原理
従来の一次ろ過機は砂を使用したものが主流でしたが、通水速度に限界がある為、設置スペースの確保や、洗浄排水量が多いといった課題がありました。これら課題を解決するため、チップ状の繊維を使用した一次ろ過装置も実用化されましたが、経年変化に従い性能が低下するといった問題がありました。
一次ろ過装置『すいせん』は、従来の直接ろ過方式にない特徴を持つ繊維の特性とろ材の吊下げ機構によって、ろ過速度・ろ過性能・逆洗性能を比類ないレベルで達成することができます。
特長
- 優れた繊維特性と洗浄機構により、色度を除去できる領域までの大量の凝集剤が注入可能
- 濁質抑留量が大きい
- 疎水性の高いポリプロピレンろ材を採用。濁質の剥離性が良く、洗浄排水量が少ない
- 超高速ろ過により省スペース化が可能
除マンガン用高速繊維ろ過装置(すいせん-M)
原理
除マンガン設備において、黒水障害解消のためのマンガン除去性能の向上、設備のダウンサイジング化、通水速度の高速化、エネルギーロスの最小化が求められております。
除マンガン用繊維ろ過装置「すいせん – M」は、多くの納入実績を持つ一次ろ過装置「すいせん」をベースとし、超高速での通水や強力な洗浄機構などの様々な特徴を生かしつつ、繊維に特殊マンガンコーティングを施すことで優れたマンガン除去性能を長期間、安定して持続することができます。
特長
- 優れたマンガン除去性能。濁質も低減可能
- 強力な洗浄で洗浄頻度が低減可能
- 高速通水による省スペース化を実現
- シンプルな設備でオペレーションが容易、ろ材交換もカートリッジ式のため容易
傾斜管沈降装置
原理
沈澱池内に傾斜板や傾斜管を配列し、多層沈澱池を形成して沈澱効果を高める沈降装置は広く採用されています。
特長
- 整流作用
傾斜管は、50mmまたは100mmの角の断面を持った硬質塩化ビニール製の管を隣同士は十文字に傾斜させてブロック化したもの。
十文字に傾斜させることにより流速を抑えることができ、整流効果を高め沈降効果も向上 - 二次凝集作用と高い除塵効果
フロックは傾斜管内を沈降し、管底部で清澄水と分離されて沈澱池底部に到達。このときフロック同士の上下の衝突により管内底部に
ゆるやかな撹拌流が発生し、ごく小さなフロックも成長して沈降 - 簡単な施工。
傾斜管は工場で製作、管の断面は均一であり、現地では支持桁上に置くだけで施工が終了 - どのようなタイプの集泥装置でも取付可能
吊り構造又は梁構造にするため、傾斜管の下部には垂直方向の支持材は不要。よって、どのような汚泥掻寄機も設置可能 - 簡単な構造で丈夫であり、清掃、維持管理が容易